marmotkun’s blog

2023年夏に訪れた John Muir Trail の旅の記録

JMT: Aug. 15-19 Mammoth Lakes, Bishop, Lancaster, LA Airport

昨日Whitney PortalからLone Pineの町までのヒッチハイクはWill (Massachusetts出身)に乗せてもらった。彼はAppleインターンでプロダクトデザインの仕事をしにカリフォルニアにやってきているとのこと。Lone Pineは西部開拓時代の雰囲気を残したカウボーイの町。車を降りると眩まいがするほどの暑さだ。JMTの後、アメリカの国立公園を車で巡りたかったので、Lone Pineより大きなMammoth Lakesの町にESTAのバスで向かう。バスに乗る前にMcDonald’sで早めの夕食をとる。これからJMTに向かうという青年2人組と乗合せる。MammothのVONSでバスを降り、メインストリート沿いのVentura Innをこの後の旅の拠点にする。

翌日、Ventura Innから道路を渡った向かい側のランドリーで洗濯しつつ、ビジターセンターにパンフレットをもらいに行く。マーモットのぬいぐるみは売ってない。町の新しい観光拠点のThe “Village” でウィンドウショッピングして、洗濯乾燥が完了したころに宿に戻って、国立公園巡りのルート計画、レンタカー、モーテルの予約など大忙し。夜はLiberty Sports Barで念願のリブ・ステーキを食べる。おいしくない。$35程度では美味しい食事にありつけないらしい。Mammoth空港のレンタカーを予約し、国立公園巡りは、まずセコイア&キングスキャニオン国立公園の世界一の体積をほこる「シャーマン将軍の木」をみてから、Mojave National Preserve~Joshua Tree National Parkを巡り、ロスの空港に向かう計画にした。翌日Mammoth空港までの足がなかったので、地元のタクシーを予約しようとしたところ、空港のレンタカーが実際に確保できているか確認出来てから、再度電話してほしいを言われる。不穏な予感がよぎる。

翌日以降はトラブルの連続である。朝一で、Mammoth空港のレンタカー会社に電話したら、車が確保できていないことが発覚。私の車はすでに別の客にレンタルしてしまったとのこと。なんでそんなことになるのか。エージェント経由でWeb予約していたが、私の電話にかけても通じかなったからだとか。+81のカントリーコードを付けて電話しなかったのだろう。

もうMammothにレンタルできる車はないので、近隣の都市で借りるしかない。田舎なので、BudgetやAvisといったメジャーなレンタカー会社は近くにない。Bishopの町にローカルのNational Car Rentalがあることを見つけて、今度はエージェントを通さずにNatioanlレンタカーのオフィシャルWebサイトで予約。Ventura Innをチェックアウトして、MammothのVONSからESTAのバスでBishopの町のVONSに向かう。バスのなかで偶然にも、Lone PainからMammothのバスの中でお話した老夫婦ハイカーに再会した。

BishopのVONSでバスを下車して、町の中心地にあるNational Car Rentalに向かう。レンタカー会社のオフィスはリサプライのときヒッチハイクした場所の近くだったが、なかなか見つけられない。やっと見つけて手続きの書類を記入していたところ、再度問題発生である。我々の電話番号が米国内通話可能な番号ではないため、車を貸せないという。そんな馬鹿な!  空港でレンタカーを借りるときは何の問題もなかったのに。行き先のモーテルの電話番号ではだめなのかと聞くも、直接国内通話できる連絡先が必須だといってきかない。予約サイトでは受付といて、現地まで来た客を追い返すとはひどい話だ。

レンタカーがないと身動き取れないので、この後の国立公園巡りの旅はすべてキャンセルして、早々にロスから日本に帰ることにする。Bishopからロスまで行くには、バスとメトロリンクを利用することになるが、Lancasterまでのバスは翌日までないので、この日はBishopに泊まるしかない。探すのも面倒なので、リサプライ時に利用したTravelodgeにまた泊まることにする。受付の男性は我々の顔を覚えていた。あまりのショックに食欲もでない。もう1円も無駄金を使いたくなかったので、けいし選手はMaruchanラーメンですませることに。ようこ選手用の夕食をVONSまで買いに出かける。Amarican Airlinesのサポートに電話して、帰りの飛行機の日程を変更してもらう。

翌日、BishopからESTAでLancasterの町まで出て(駅最寄りのタイレストランで昼食)、列車でLA Union Sationに向かった。Union Stationから空港にはリムジンバスを使ったが、渋滞して大幅に遅れる(地下鉄を使うべきだった)。飛行機は1:00amごろ出発便なので、LA空港で出国手続きを早々に済ませて、出発ロビーの免税でお土産を探したり、Panda Expressで中華を食べたりして時間をつぶす。出国待ちの人気もまばらになったころ、我々も日本に向けて帰路についた。







JMT: Aug. 14 Whitney Portal, Lone Pine, Mammoth Lakes

朝起きると天候はおおむね回復しており、遠くLone Pine Valley方面の上空に雲がかかっていた。あの雲はこちらのほうにやってくるのだろうか。ほどなくして、太陽がキャンプサイトに差し込んできて、一夜で降り積もった雪を溶かし始める。

Mt.Whitneyに至る岸壁に朝日が反射して、神々しく輝いている。朝ご飯を食べていると、マーモットたちが入れ替わり立ち代わり遊びにやってきた。ご飯ももらいたいらしい。テントの入り口までやってきて、じっとこちらを見つめる。
JMT正規ルートはMt.Whitney頂上で終了し、ここはすでにJMTの外にあたる。天候が回復したので、麓のWhitney Portalまで旅の余韻をかみしめながら下った。

 

JMT: Aug. 13 (Day 25) Mount Whitney, Consultation Lake

5時ごろ起きだすと、他のテントはほとんどなくなっていた。Mt.Whitney(4421m)の頂上でご来光をみるために、夜中のうちにテント場を出発するハイカーが主流なようだ。我々は頂上までの景色も見たかったので、いつも通りに起床して、7時にピークに向けて出発。昨夜はあまり寒さを感じなかった。おそらく天気が下り坂なのだろう。低気圧が近づいてきているに違いない。

スイッチバックで標高を上げていくと、Guitar Lakeが本物のギターの形に見えてくる。麓のLone Pine 方面から延びる Whitney Trailとの合流点(4110m)に到着。ここから山頂に往復することになるため、バックパックを降ろしアタック装備に切り替える。いよいよ最後の3.8kmである。

 

荷重から解放され、足取り軽くペースを上げると途端に胸が苦しくなる。空気がかなり薄い。気圧は550hPaなので、空気中の酸素濃度も平地の半分くらいだ。最後の雪渓はkeep rightでかわし、右側のゴーロを登りきると山頂の石室が見えた。スミソニアン研究所が気象観測を目的に建てた小屋である。

あと数分。ついにアメリカ合衆国本土の最高峰に到達した。我々の登頂を祝福するかのようにガスは晴れ、360°パノラマでハイシエラの峰々が見渡せた。25日間もかけて歩きとおした道のりに思いをはせる。Consultation Lake方面に向けて下っていると天候が悪化して本格的に雨が降ってきた。雨や雹にかわり、やがて吹雪になった。3600m付近にようやく平らな場所を見つけ、テントに逃げ込んだ。






JMT: Aug. 12 (Day 24) Bighorn Plateau, Write Creek, Timberline Lake, Guitar Lake

雨が強くなってもテント下に水がたまらないよう、排水路を掘っておいたが、昨晩はそこまで強い雨は降らなかったらしい。

びしょびしょのテントをバックパックに突っ込み、Bighorn Plateauと呼ばれる砂地の高原まで2~3kmハイクアップ。

ここから初めてMt.Whitneyの姿をとらえた。Bighorn Plateauから広がる広大なスロープをゆっくりトラバースするようにトレイルは疎林の中に吸い込まれていく。疎林は赤茶色の肌を持つフォックステール・パインの森。この木は数千年の長い年月を生きるために、その幹のほとんどを自ら殺しながら生きながらえる。

 

Whitney Creekを200mほど登り返し、Timberline Lakeのアウトレットで休憩。もう少し登ると、Guitar Lakeに到着した。

Guitar Lakeの標高は3500m。Mt.Whitneyに上るためのハイカーはだいたいここにキャンプする。テントは20張りくらい。
夕方近くなると風が強くなってきたが、吹き曝しなので、大きな石で防風壁を作る。テントの下は岩盤なので、ペグダウンできず、石に張り綱が固定する。風が収まってきたのを見計らって、釣りに出掛けた。Arctic LakeからGuitar Lakeに小川が流れ込んでいるポイントでキャストすると、ゴールデン・トラウトが入れ食い状態。焚火禁止の標高なので、2匹だけキャッチしてイワナ汁にして食べた。




JMT: Aug. 11 (Day 23) Forester Pass, Tyndall Creek Jct

昨晩は雨が降ったらしい。今朝も曇り空。上空を雲が速いスピードで流れていく。Bubbs Creek沿いを標高を上げていくと正面に巨大な岩稜が扇のように横たわっている。ここを右に折れると斜度がどんどん増してくる。標高3700mを越えたあたりから、深いサンカップが穿たれた雪渓があらわれる。早いハイカー2名に追い抜かれるが、我々はマイペースで進む。

風が強くなってきて、振り返ると巨大な積乱雲がこちらにぐんぐん近いづいてくる。雷鳴が大きく、近くに聞こえるようになり、サンダーストームの来襲が近いことを確信する。積乱雲との追いかけっこになり、Pass直下の急斜面を心臓をばくばくさせながら登っていく。途中、白人女性ハイカー2名を追い抜く。

 

積乱雲との追いかけっこに何とか勝利して、Forester Pass (3999m)に到着。JMTの峠の中でいちばんの高さだ。Passで休憩していると、Bubbs Creekでお祈りしていた白人男性と再会。小梅太夫にそっくり。積乱雲に飲み込まれる前に標高を下げておかなければ危ないので、急ぎ下ることに。Pass直下のスイッチバックは、ほとんど垂直の壁にべばりつくようにトレイルが切られている。(Golden Staircaseと並び最後まで残った難工事個所)慌てていたのか、下りルートでトレイルを大きく外れてしまった。別の惑星のような荒涼としたトレイルを下っていくと、3400m付近からやっと木が生えてきて、アルプスのハイジのような景観に。Tyndall Creek Jct手前でレンジャーに会う。テントサイトにつくとすぐに雨が降ってきた。



 

 



JMT: Aug. 10 (Day 22) Glen Pass, Kearsarge Pass Trail Jct, Bubbs Creek

これまでずっと晴れだったが今日は曇り空。Glen Pass(3652m)に向けて標高を上げる。この日は体調が絶不調。パスを越えたときの記憶があまり残っていない。パスを越えた後の急な下りの途中、コバルトブルーの美しい湖が2つ。途中 Kearsarge Pass Jctを通過して、約700m標高を下げてから、Bubbs Creek沿いをForester Passに向けて標高を上げていく。途中30分ほど雨に降られる。体調不良のため何組ものハイカーに追い抜かれる。写真を撮る元気もない。Forester Passの6kmほど手前でキャンプ(3300m)。U字渓谷とその両サイドの岩峰群が美しい。夕暮れ時、近くで
キャンプしている白人男性3名が白い法衣をまとってキリスト教のお祈りをしていたのが印象的だった。